不法侵入とは何か?

不法侵入は、他人の土地や建物に無断で入る行為のことで、悪意がなくても、許可なく入ることは法律で定められた犯罪行為です。
特に、自宅や敷地内に他人が無断で入ってくる場合、個人のプライバシーや安全に対する直接的な脅威となり、不安や恐怖を引き起こします。
警察に通報するのが適切な対応ですが、場合によっては警察がすぐに動かないこともあります。
不法侵入があったときのために、法律の知識や証拠の集め方を知っておきましょう。
【不法侵入の法律上の定義とよくある事例】
日本の刑法第130条では、不法侵入を「正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入し、又は要求を受けたにもかかわらずこれらの場所から退去しない」と定義しています。
これには、家やアパートだけでなく、駐車場や庭、さらにはマンションの共用部分も含まれます。
不法侵入は法律で厳しく罰せられ、罰金刑や懲役刑が科される可能性があるのです。
よくある事例は、以下のようなものです。
・無断で他人の敷地に立ち入る
・住居や建物への侵入
・公共スペースの不法使用
不法侵入は、庭や駐車場といったプライベートな空間に、許可を得ずに立ち入る行為です。
たとえ短時間であっても、住人の不安やプライバシーの侵害となるため、不法侵入になります。
ドアが開いていたり鍵がかかっていない状態でも、許可なく他人の建物に入ることは、悪意の有無に関わらず不法侵入となります。
入った人が悪いことをするつもりはなかったと主張しても、許可なく他人の建物に入ること自体が違法行為となるのです。
マンションやアパートの共用部分に無断で侵入し、長時間滞在したり、物を置いたりする行為も不法侵入となる場合があります。
これにより、住人に迷惑がかかるだけでなく、危険にさらされる可能性も高まります。
不法侵入に遭った際の初期対応

不法侵入が疑われる状況に遭遇した場合、まず重要なのは冷静に対応することです。
恐怖や不安からすぐに行動を起こしたくなるかもしれませんが、まずは安全を確保し、適切な手順を踏むことが求められます。
以下では、不法侵入に対してどのように初期対応すべきか、そのポイントを説明します。
【証拠の確保】
最初は、不法侵入の事実を証明するための物的証拠を確実に残すことが重要です。
以下の方法で証拠を収集しましょう。
・防犯カメラの映像を保存する
・侵入された痕跡の写真を撮る
・証人を確保する
もし防犯カメラを設置している場合、侵入者が映像に残っていれば、保存します。
防犯カメラが設置されていない場合でも、スマートフォンで不審者を撮影するなど、視覚的な証拠を残すことが効果的です。
フェンスが壊されている、足跡が残っているなどの侵入の痕跡がある場合は、その場所を写真に撮っておきましょう。
これも後に警察に提出する重要な証拠となります。
不法侵入があった瞬間を目撃した人がいる場合、その人に証言をお願いしましょう。
第三者の証言は、証拠として非常に有力です。
【警察への通報とそのポイント】
証拠がある程度そろったら、次は警察に通報します。
不法侵入が疑われる場合はすぐに110番に電話し、状況を詳しく説明しましょう。
警察には具体的な情報をできるだけ多く提供しましょう。
詳細な情報は、警察の迅速な対応につながります。
警察が現場に到着した際には、前述のように保存した防犯カメラの映像や写真、証人の証言を提供できるように準備しておきましょう。
警察の対応が不十分な場合の対策

不法侵入を警察に通報しても、必ずしもすぐに対応してくれるとは限りません。
特に現行犯でない場合や証拠が不十分な場合、警察の動きが遅いと感じることがあるでしょう。
このような状況でも、適切に対応することは可能です。
まず、証拠となるものをできる限り集めることが重要です。
防犯カメラの映像や写真、侵入の痕跡、近隣住民の証言などを揃えて、警察に再度相談しましょう。
証拠が乏しいと警察は動きづらいため、できる限りの情報を提供することが大切です。
一度の対応で満足できない場合は、警察署に再度相談に行き、強く要請することも必要です。
場合によっては、別の担当者や上級の警察官に話を通すことで、より積極的な対応を引き出せることもあります。
証拠が不十分な場合でも、「確認だけでもしていただけませんか」と依頼することで、何らかの対応が得られることがあります。
例えば、定期的なパトロールや周辺住民へのヒアリングを依頼するなど、警察に状況把握を促すことも一つの方法です。
また、弁護士や探偵などの専門家に相談し、第三者として警察に正式に働きかけてもらうことも効果的です。
専門家の介入により、警察がより本格的な捜査に乗り出すケースもあります。
さらに、警察だけでなく自治体の防犯活動に協力を求めることも検討しましょう。
地域住民や町内会と連携して、不審者の出入りを監視する体制を整えることも、不法侵入への有効な対策となります。
証拠がない場合や不法侵入を訴えるには?

不法侵入が疑われても証拠がない場合、次の方法で対処できます。
・近隣住民の証言
・痕跡を確認
・監視を強化
周辺住民に目撃情報を確認し、証言を記録します。
これが証拠の一部となります。
侵入者が残した足跡や破損したフェンスなどの痕跡を写真に撮り、証拠として保存しましょう。
防犯カメラや監視を強化し、次回に備えて証拠を残す準備を整えることが重要です。
不法侵入を訴える際には、警察への被害届を出し、証拠をできる限り揃えて報告します。
警察の対応が不十分なら、弁護士に相談し、最終的に民事訴訟を検討することも選択肢です
まとめ
不法侵入に対する不安は、誰しもが直面しうる問題です。
警察に通報してもすぐに動かない場合は、冷静に証拠を集めることが大切です。
防犯カメラや目撃証言を活用し、証拠を確保した上で、警察や弁護士に相談することで適切な対応を引き出せるでしょう。
また、警察の対応が不十分であれば、再度相談したり、弁護士を通じてより強力な対策を講じることが重要です。
T.L探偵事務所は、不法侵入に対する証拠集めなどをはじめとした調査を取り扱っています。
調査を依頼することを検討している方はもちろん、不法侵入について気になることや疑問点がある方は、いつでも気軽にご相談ください。